the official Jon Nakamatsu home page
参考:Jon Nakamatsu played Tchaikovsky
ラフマニノフ作品を集中的にDIGしているのは以前に書いたけど、その一環で買ったCDの中に、ジョン・ナカマツの演奏によるピアノ・コンチェルト3番があった。
不覚にもジョン・ナカマツの名前をちゃんと記憶したのはこのエントリーを読んだ時のこと。彼は1997年のヴァン・クライバーン・コンクール優勝者なので、必ず名前は聞いているはずなのだけど、すっかり忘れていた。
ちなみに、日本人の有名どころだと野島稔が1969年に2位に入賞している。その時の優勝者はクリスティーナ・オルティス。なんとも微妙。ジョン・ナカマツのCDと偶然一緒に買ったCDの演奏者、アレクセイ・スルタノフもヴァン・クライヴァーン・コンクールの優勝者。
ジョン・ナカマツの演奏は一言で言うと「精緻」という形容詞がふさわしい。
コンチェルトのレコーディングにラフマニノフの3番を選んでくるあたりに、演奏技術に対する自信の程が伺える。(クライバーン・コンクール優勝者であれば当たり前か。)CDになっているからといって必ずしもアタリの演奏ばかりではないこの難曲を、完璧に弾ききっている。
しかし、ウェブに載っているこの人のバックグラウンドに関する最も詳細な資料『MercuryNews.com: A PIANO PARTNERSHIP』。新聞記事というのがなんとも微妙。(公式サイトのバイオグラフィよりも詳しく、且つ面白い。)
その記事によると…ジョン・ナカマツはイラン育ちのロシア移民の先生に師事してピアノを習い始めたらしい。(この辺はいかにもUSAのピアニストらしい。)初めてのレッスンのとき、当時6歳の彼は先生が弾いたモーツァルトをほぼ完璧にリピートしたらしい。まぁ、この手のハナシは多少なりとも誇張が含まれるのが常なので、2・3割引きで考えたとしても、彼がもともと音楽の才能に恵まれていたのは本当なのだろう。その先生のもとで、なかなかユニークな教育を受けたようだ。
そのように書くと、彼の演奏スタイルがかなりユニークなカタチをしているような印象を与えてしまうかもしれない。しかし実際の彼の演奏は極めてオーソドクスなアプローチを採っていて、そのスタイルに不自然な歪曲は感じられない。むしろ、あまりにも正攻法であるが故にかえって彼の技巧が際立つ結果となっている。(この辺はクライバーンの演奏に相通ずる部分があるかもしれない。)
オーソドクスなスタイルにアメリカ人らしい派手な技巧が備わって、現代のヴァーチュオーゾ系ピアニストの中でもユニークなポシションを占めているように見える。日本にも何度か演奏に来ているので、機会があったら実際に聴いてみようかと思う。
Posted by: じゅんこ at October 3, 2004 4:56 PM
コメントどうもです。普段はスパム・コメントばかりなので、危うく削除しそうになりました。(すみません・・・)
コメントにありましたが、ベートーヴェンをお聴きになったようで。ちょっとうらやましいです。ベートーヴェンのようによく考えられて構築された作品は、ジョンの長所(構造理解の的確さ、演奏自体の構成のうまさ、フレージング・・・)がよくあわられるんじゃないかと想像していました。ベートーヴェンの他には、ブラームスの作品を演奏してくれないかなぁ、と期待しています。特に、室内楽ではよい成果があげられると思うのですが、どうでしょう。
ところで。10月30日のコンサートですが、チケットをなんとか確保できたので聴きに行っています。(終了後に感想をエントリーしようかと思っています。)
日本人のチャイコフスキ好きは未だに衰えていないみたいで、オール・チャイコフスキ・プログラムのこの演奏会は、チケットの売れ行きがよかったようです。私がこの演奏会に気づいたときには「ぴあ」みたいな普通のチケット・サービスへの割り当てはすべて完売してました。
華やかなで技巧的なコンチェルトなので、彼の演奏能力がいいカタチで提示されるのではないかと期待しています。これをきっかけにジョンの演奏を多くの人に知ってもられるようになるといいのですが。
Posted by: tomo at October 6, 2004 3:03 PM
私用で日本にいてレスが遅れました。(図らずも地震は免れましたが、台風ではしっかりとずぶぬれになりました)
ジョンは今年5月に、SFシンフォニーとの共演で、ベートーベンの3番を弾いています。これはこの春の「ベートーベン・フェスティバル」の一環で、かなり前評判が高かったものです。ところが、私はこれをミスしてしまいました。講演日時を1週間間違えて記憶していて、気がついたときは既に遅し・・・で。これは4月に、かの巨匠アルゲリッチにキャンセルされてショックだったので、切符をぎりぎりまで買わなかったせいでもあります。それで、1週間後の「コーラル・ファンタジー」を聞きに出かけた次第です。前にも書きましたように、弱小オケをよく引っ張って、非常に生き生き弾いていたと感じました。初演はベートーベンがかなりアドリブ調に演奏したそうですが、こんな風だったのかなあ~、と楽しく聴きました。
ご指摘のブラームスですが、ソノマのMidsummer Morzart Festivalでの私の2番目の質問(目立ちたがりがよく分かるでしょう)は「次のCDは?」で、彼は「ブラームス。この秋はこのプロジェクトに没頭する」と宣言していました。まだ発売されていないようですが、楽しみにしています。
ちなみにこのコンサート、日米の音大卒ピアニストの友達が一緒で、彼女は「モーツアルトでこんなにペダルを駆使するピアニストは始めて」とのたまわりました。なにしろ3メータと離れていないところで聴いているので、息づかいまで聞こえるくらい。もっともこちらはワインなど飲みながら、彼のモーツアルトに聴き入っているわけで、こんなに贅沢な素敵な時間はないですよね。
10月30日のコンサートのご感想をお待ちしています。
Posted by: じゅんこ at October 24, 2004 11:29 AM
感想をエントリーしてみました。(長いです、すみません。)
Posted by: tomo at November 5, 2004 10:47 AM
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始めまして:
ジョン中松が1997 Van Cliburn International CompetitionのFinalist(10人)になったときから注目して、受賞後は、ベイエリア地区で行われるコンサートにはできる限り駆けつけています。この8月、ソノマで行われたMidsmmer Morzart Festivalでは最前列に陣取り(ワインとサンドイッチ持参で)、コンサート前に聴衆からQ&Aを受けるジョンに向かって「6歳のとき、両親に始めて買ってもらったピアノはな~に?」などと、少しでも目立とうと質問したほど。
彼自身も「まだ、なにがいちばん得意、と決められたくない」と言っている通り、ショパン、ベートーベン、モーツアルト、チャイコフスキー、ウォルフなどなど、いろんな作品に挑戦しているようです。どのコンサートも、いつも楽しんできますが、意外に面白かったのがベートーベンの「コーラル・ファンタジー」。聞いたこともない曲でしたが、彼の頭脳明晰さと緻密さが引き立っていました。いつも渋々私についてくる主人も「I enjoyed a lot」と言っていたくらい。ご購入になったRachmaninovもお気に入りのCDです。
10月30日に東京交響楽団とチャイコフスキーを演奏するようですので、ぜひお出かけください。(プロモータをしているわけではありませんが、私も行きたいようなプログラムです)